DUPRとInBodyの提携が示す、ピックルボールの体づくり革命

DUPRとInBodyの提携が示す、ピックルボールの体づくり革命を象徴する写実的なシーン

ニュースの概要

ピックルボールの実力を数値化する評価システムを運営するDUPRは11月3日、体成分分析装置で知られるInBodyとの公式提携を発表した。InBodyはDUPRの「Official Body Composition Technology Partner」に就き、DUPRに登録する選手、クラブ、コーチに向けて、デジタルコンテンツ、イベント、製品特典などを順次提供していく。InBodyの測定機器や測定体験は、DUPRのコミュニティ活動の中に組み込まれる見込みだ。試合の勝ち負けだけでなく、体の状態を数字で把握する流れを、競技の中心的な評価基盤を持つ組織が後押しする動きといえる。

引用元: DUPR、InBodyとピックルボール選手向け身体組成技術で提携(DUPR)

分析・見解

実力の数値化から、体の数値化へ広がる意味

DUPRはこれまで、対戦結果から選手の実力を一つの数値で表す仕組みで支持を集めてきた。同じ尺度があるからこそ、初対面の相手とも実力の近い試合を組める。

今回の提携は、その発想を「体」にも広げる動きである。筋肉量、体脂肪、水分量といった指標を測り、プレーの上達や怪我の予防につなげる。実力という結果と、体という原因を同じ場所で見られるようになる点が大きい。

競技人口の広がりが生む、体づくりの需要

ピックルボールは、テニスやバドミントンより動く範囲が狭く、年齢を問わず始めやすい。その結果、四十代から七十代の愛好者が多く、競技歴が浅いまま週に何度もプレーする人が増えた。

ここで起きやすいのが、ふくらはぎの肉離れ、アキレス腱の痛み、肩や肘の違和感である。競技の手軽さに体の準備が追いついていない。体成分の測定は、筋肉量の左右差や下半身の弱さを早めに見つける材料になる。

測定機器メーカーが得るものと、DUPRが得るもの

InBodyにとっての利点は、健康志向の高い層へ自然に届く導線である。ジムや病院では測定に心理的な壁があるが、趣味のスポーツの場なら、気軽に測ってみようという流れが生まれやすい。

DUPR側の利点は、アプリの利用理由を増やせることだ。試合記録のためだけに開くアプリから、体調管理も含めた日常の道具へ近づく。利用頻度が上がれば、スポンサー収入やイベント集客の力も強まる。

似た例として、ランニングの世界ではGPS時計が走行データに心拍や回復状態を重ね、競技者の定着を高めた。ピックルボールでも、記録と体のデータが結びつけば、同じ展開が期待できる。

数値化が進むほど気をつけたい点

一方で課題もある。体成分の数値は、測定する時間帯や水分の摂取量で揺れる。数値の上下に一喜一憂すると、かえって不安や無理な減量を招きかねない。

また、体の情報は非常に個人的である。クラブやコーチが参加者の数値を扱う際は、本人の同意と目的の説明が欠かせない。数値は競争の道具でなく、自分の変化を知る道具として設計できるかが、この提携の評価を左右するだろう。

ビジネスへの影響

クラブ運営者は、測定会を会員の定着策に使える

ピックルボールクラブや施設を運営する側にとって、最も取り入れやすいのは月に一度の測定会である。測定そのものは短時間で終わり、結果は本人にだけ渡せる。数値の変化を会員が自分で追えるようになれば、通う理由が一つ増える。

新規入会者向けの無料体験に組み込む使い方もある。技術の紹介だけでなく、体の状態を見て「あなたに合った頻度」を提案できれば、体験から入会への転換が期待できる。機器は購入だけでなく、提携特典や貸出の活用も検討する価値がある。

周辺ビジネスは、データを軸にした提案を考えたい

シューズ、サポーター、プロテイン、整体、パーソナルトレーニングなどの事業者には、新しい接点が生まれる。体成分の傾向に合わせて下半身強化の講座を開く、疲労が出やすい会員に回復食を勧めるなど、データを根拠にした提案が可能になる。

日本市場では、まず国内の大会やクラブでDUPRの登録が広がるかが前提となる。登録者数と測定機会がそろって初めて、事業として回る。小さく試すなら、自店の会員十人程度に測定を実施し、反応を見るところから始めるとよい。

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